2024.08
皆さんは、「秘境駅」という言葉を耳にしたことがありますか?都会の喧騒を離れ、列車でしかたどり着けないような、ひっそりとした駅。そこには、普段の暮らしでは感じられない静けさや特別な空気が漂っています。そんな秘境駅のひとつ、筒石駅を訪れる機会があったので、今回はその体験をお届けします。
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筒石駅のホームから撮影
旅の様子
黒部旅行の翌朝、秘境駅への旅立ち
2024年8月15日、前日の黒部旅行で充実した1日を過ごした後、秘境駅の筒石駅を訪れることを計画しました。黒部駅を8時33分発の泊行き列車に乗車。北陸地方の朝の清々しい空気を感じながら、車窓に広がる富山湾の景色を楽しむ贅沢な時間です。
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この電車でまずは泊駅まで向かう。
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泊駅には8時52分に到着。同一ホームで9時19分発の新井行き列車に乗り換え、いよいよ筒石駅を目指します。
ここから先はえちごトキめき鉄道の車両となり、1両の気動車となる。
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富山県から新潟県に入り、日本海を眺めながら筒石駅を目指します。
筒石駅到着と涼やかな夏体験
列車がトンネル内に差し掛かると、外とは異なる冷たい空気を感じました。10時21分、筒石駅に到着。ホームに降り立つと、そこは真夏の暑さを忘れさせる涼やかな別世界。自然の冷気が心地よく、まるで巨大な冷蔵庫の中にいるようでした。
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筒石駅のホーム。
上下線のホームが千鳥に配置されている。
静寂の中に響く列車の音や風の音が、トンネル内ならではの独特な空間を演出していました。
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ホーム手前にある待合室。ここに温度計が設置してあったが、真夏の暑い時期にもかかわらず、室温は18度となっていた。
階段の先に広がる秘境の世界
ホームから地上へ
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筒石駅の特徴のひとつが、ホームから改札まで続く長い階段です。この階段を登るのに約5分かかり、途中で少し息が上がるほど。しかし、暗がりの中で静かに続く階段は、まるで冒険のトンネルを進むようなワクワク感を与えてくれました。
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いよいよトンネルの出口が見えてきました。外は一体どうなっているのでしょうか。
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トンネルを抜けると、そこにはちゃんとした駅舎が。
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地上に出ると、空が一気に開ける感覚が新鮮でした。周囲は静かで人影もなく、民家が数軒ある程度。どこか秘境らしい孤高の雰囲気が漂っていました。
鉄道ファンの集う駅
地元の人に会うことはありませんでしたが、夏休み中ということもあり、鉄道好きと思われる方々が数名訪れていました。駅の構造を撮影したり、じっくりホームを観察したりと、それぞれが筒石駅の魅力を楽しんでいる様子でした。この駅が鉄道ファンの間で「聖地」と呼ばれる理由が少しわかった気がします。
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筒石駅の駅舎
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駅舎の内部。
奥の扉を開けるとホームへと続くトンネルが現れる。
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駅舎には筒石駅の紹介が大々的に掲示してある。
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駅舎内に設置してある「ずいどうノート」
筒石駅を訪れた様々な方のコメントが残してあった。
帰路と振り返り
筒石駅を堪能した後、11時06分発の泊行き列車で糸魚川駅へ向かいました。11時28分に到着した糸魚川駅では、すぐに北陸新幹線に乗り換え、東京へと帰路につきました。列車の中で振り返った筒石駅でのひとときは、まさに「非日常」という言葉がぴったりの体験でした。
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泊行きの列車。
私と同じように筒石駅を訪れた観光客がこの列車に乗車し、筒石駅をあとにした。
筒石駅への訪問を振り返って
筒石駅は、その特殊な立地や構造、そして駅全体を包む静寂が織りなす独特の雰囲気で、訪れる人に忘れられない体験を提供してくれる場所です。トンネル内の涼やかな空気や長い階段、そしてその先に広がる静けさは、普段の生活では味わえない特別な時間でした。
鉄道ファンはもちろん、都会の喧騒を離れて静かな時間を過ごしたい人にもおすすめです。この夏に出会った特別なひとときを、ぜひ皆さんも体験してみてください。